動画のファイル形式には、一般的なものから専門性の高い特殊なものまで、数多くのものが存在します。
ごくごく一般的な動画ファイルをあげるとmp4、MOV、AVI、mpg、wmvなどがあげられます。これらについては後ほど詳しく説明しますが、動画ファイルは少し特殊な仕組みをしています。
その為、基本的な仕組みを理解しておくことで動画ファイルの扱いや管理がスムーズに出来ます。また何かトラブルがあった場合に対処のヒントにもなると思います。
動画編集をする人は、必ず覚えておいた方がいい基礎知識です。
動画のファイル形式とは
動画のファイル形式には様々な規格があり、その規格名がファイル形式にあたります。
この規格については様々なメーカーや団体が策定している為、互換性の面で問題がありましたが(Windows標準のAVIをMacで視聴するにはMOVへの変換が必要)近年はMpeg4形式の普及により、ほとんでのデバイスで同じ動画ファイルを再生することが出来るようになり、この問題をクリアしています。
当然ですが各ファイル形式に対して、それぞれの動画ファイルの拡張子も変わってきます。
例えばWindows標準の動画ファイル形式であるAVIであれば拡張子は.avi、Macの標準の動画ファイル形式であるQuickTimeであれば.movといった感じです。拡張子をみれば、どのようなファイル形式なのかを判断することが出来ます。
動画ファイルの仕組み
わかりやすく説明すると動画ファイルは一般的に1秒あたりに24枚から60枚の静止画を順番に再生することで動いて見えてます。パラパラ漫画を想像してもらえるとイメージがしやすいと思います。
※1秒間に表示する静止画の枚数は作りて側で設定できます。5枚や100枚とかでも作ることが可能。一般的な動画データは、24枚~60枚。
で、この1秒あたりに24枚から60枚の静止画に音楽や音声など音データを含めて動画ファイルにするためにコンテナとコーデックが必要になります。
コンテナとコーデック
コンテナについてはファイル形式=コンテナと思ってもらってOKです。
ようはハコ(入れ物)です。
このハコ(入れ物)にどんな方法で大量の静止画を入れるのか?どう収納すればコンパクトに収まるか?この収納方法がコーデックと考えるとわかりやすいと思います。
例えば、movやavi、mp4などの動画フォーマットがハコになります。そのハコにいれる動画や音楽データをどういう風にコンパクトにいれるか?という役割を果たすのがコーデックになります。
コーデックの役割
コーデックの役割は動画と音声データを圧縮して動画ファイルの容量を小さくするためにあります。
例えば乱雑に何も考えずに収納していくと箱をどんどん大きくしないと大量の静止画が入りません。箱がどんどん大きくなると部屋のスペースを沢山取ってジャマになりますよね?
これと同じで動画ファイルの容量がどんどん大きくなるとハードディスクを圧迫することになります。コーデックの性質上、動画ファイルの容量を小さくするほど画質は低下します。これはコーデックにより動画・音声のデータを圧縮しているためです。
コーデックの規格が優秀か、そうでないかで圧縮後の画質に大きく影響します。簡単に言うと優秀なコーデックはファイルデータのサイズを小さくし圧縮後の動画の画質がキレイということになります。
ファイル形式と拡張子
ファイル形式 | 拡張子 |
AVI | .avi |
MOV | .mov |
MPEG2-TS | .m2ts .ts |
MPEG2-PS | .mpeg .mpg |
MPEG4 | .mp4 .m4a |
WMV | .wmv |
FLV | .flv .f4v |
WebM | .webm |
VOB | .VOB |
MKV | .mkv |
AVCHD | .mts .m2ts |
各ファイル形式について
AVI
Windows標準の動画ファイルフォーマットで、拡張子は「.avi」です。 正式にはAudio Video Interleave(オーディオ ビデオ インターリーブ)でAVI(エーヴィアイ)と呼ばれています。Windows標準といってもコーデックによってはWindows Media Playerで再生出来ないものもあります。その場合コーデックインストールするか個別に動画プレイヤーをインストールする必要があります。
QuickTime
Mac標準の動画ファイルフォーマットで、拡張子は「.mov」です。アップル社が開発する動画ファイルフォーマットです。アップル社から提供されていたQuickTime Playerは開発が終了したためWindowsでmovファイルを視聴する場合は別の動画プレイヤーが必要です。
MPEG4
Mpeg-1、Mpeg-2の流れのファイル形式であり、インターネットでの利用に適したフォーマットです。圧縮率が高くパソコン、スマートフォンやYoutubeなどインターネット動画のような視聴用動画に向いています。WindowsパソコンやMacパソコンにiPhoneやandroidスマートフォンなど、どの端末でも再生することができ高い汎用性を持っています。ただし圧縮率が高いため、業務用の動画編集には不向きです。主要コーデックはh246.が多いです。
汎用性の高さから業務用とのビデオカメラに採用されている場合はあります。
WMV
WMV(ダブルエムブイ)、Windows Media Video(ウィンドウズ・メディア・ビデオ)は、マイクロソフトが開発した動画ファイルフォーマットです。音声ファイルとしてWindows Media Audio(ウィンドウズ・メディア・オーディオ)、WMA(ダブルエムエー)があります。Windows Media Playerなら問題なく再生可能です。
FLV
Adobe社が開発した動画ファイル形式で、数年前に主流のインターネット上で配信されていた動画ファイル形式です。現在はその地位は落ち、ゆくゆくは使われることがなくなっていくのでは推測されます。またWindows Media Playerなどの一般的な再生プレイヤーでは再生することが出来ないため専用プレイヤー及び対応した別のプレイヤーが必要になります。
WebM
Googleが開発した動画ファイル形式で、インターネット上で配信することがメインの用途で開発されています。Youtubeなどで採用されており高画質、高圧縮を両立出来ることを目標として開発されています。
MKV
Matroska(マトロスカ、マトリョーシカ)と呼ばれるオープンソースで開発されている動画ファイル形式。GoogleのWebMのコンテナとしても採用されています。Windows 10がMatroskaに標準対応しています。
VOB
通常はDVDデータの格納形式として映像、音声、字幕、メニューなどの情報をひとつのオブジェクトに格納したデータ構造です。DVDの中身をパソコンにコピーした際に拡張子がVOBの動画ファイルが抜き出せる場合があります。DVD用のデータと覚えておけばいいでしょう。
AVCHD
AVCHD(Advanced Video Coding High Definition, エーブイシーエイチディー)は、パナソニックとソニーが基本仕様を策定した規格です。主にビデオカメラやBlu-rayディスクに記録する動画ファイルの形式です。現行の家庭用ビデオカメラはほとんどこの規格で記録しています。1部の業務機にも採用されています。
さいごに
動画ファイルのコーデックについて理解出来ましたか?
動画データのファイル形式思ってたより沢山あったのではないでしょうか。動画データの歴史は古く時代の流れと技術の進歩により様々な進化を遂げてきました。今の主流はiPhoneやandroidで採用されているmp4、movなので最低限この2つを覚えておけばOKです。ほとんどの動画編集ソフトにも対応している動画ファイル形式なので取り扱いにも問題ないと思います。
出来るだけ分かりやすく解説したいという気持ちで記事を書きましたが、わかりにくいとこなどあればコメントください!
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